Illustrator CS5データのご入稿方法WebPDF入稿の手順
 
  既存ドキュメント作成時の設定方法  
ここでは、すでに作成されたIllustrator CC2014のドキュメントを、PDFとして保存するまえに確認したいチェックポイントをご説明します。ご確認いただければPDFとして保存してご入稿ください。

ドキュメントをチェックする前に、次のことを行ってください。

・すべてのレイヤーを表示する
・オブジェクトメニューで[すべてのロックを解除]
・オブジェクトメニューで[すべてを表示]

上記のことを確認しなければドキュメントを正しくチェックできません。
 
step1 CMYKモードかどうかを確認する
ファイルメニューの[書類のカラーモード]で「CMYKカラー」か「RGBカラー」かを確認します。もし、「RGBカラー」の場合は、「CMYKカラー」に変換します。



OK


「RGBカラー」から「CMYKカラー」に変換すると、ドキュメント内の墨のオブジェクトやテキストがCMYKの墨版ベタにはならないことがあります。すべての墨のオブジェクトを選択して、「K=100」になっていることを確認してください。なお、それ以外のカラーは、編集メニューの[カラー設定]にあわせてCMYKカラーに変換されます。また、ドキュメント内で透明パレットの[描画モード]を指定しているときは、カラーモードを変換すると、見た目のカラーが大きく変化することがあります。[描画モード]内の「スクリーン」や「差の絶対値」を指定しているときは、CMYKに変換後、 Illustratorのウィンドウでカラーを確認してください。カラーが変わってしまったときは、RGBモードのままでそのオブジェクトを選択し、オブジェクトメニューから[透明部分を分割・統合]してからCMYKに変換します。
   
step2 アートボードサイズを大きくする
Illustrator CC2014では、新規にドキュメントを作成するとドキュメントのサイズが「A4」サイズになります。サイズを変更するときは、ファイルメニューの[ドキュメント設定]を開いて[アートボードの編集]の[サイズ]を変更します。
IllustratorからPDF保存すると、[ドキュメント設定]の[アートボード]の[サイズ]で指定した大きさでPDFが作成されます。しかし、「A4」で印刷する場合、アートボードの大きさを「A4」にしてPDF保存すると、ヌリタシとトリムマークをPDFに反映させることができません。
そこで、アートボードサイズをひとまわり大きくしてPDFを作成します。「A4」サイズが仕上がりの場合は、[ドキュメント設定]のアートボードサイズを「B4」に変更します。また、作成したトリムマークがアートボードサイズ内に収まるようにします。トリムマークの外にあるオブジェクトや画像は削除するか、マスク処理してすべてのオブジェクトや画像をトリムマーク内にレイアウトします。
また、名刺やハガキなどの「B6」以下のサイズは、「B5」サイズにアートボードサイズを変更して作成してください。正しく作成されていない場合は、再入稿していただくことがあります。


 仕上がりサイズ  変更後のアートボートサイズ
 B6(128×182 mm)以下
 B5(182×257 mm)
 A5(148×210 mm)
 B5(182×257 mm)
 B5(182×257 mm)
 A4(210×297 mm)
 A4(210×297 mm)
 B4(257×364 mm)
 B4(257×364 mm)
 A3(297×420 mm)
 A3(297×420 mm)
 B3(364×515 mm)
 B3(364×515 mm)
 A2(420×594 mm)
 A2(420×594 mm)
 B2(515×728 mm)
 B2(515×728 mm)
 A1(594×841 mm)
 A1(594×841 mm)
 B1(728×1030 mm)

step2-1 「ファイル」>「ドキュメント設定」を選択


step2-2 アートボードの「サイズ」を変更
仕上りサイズよりもアートボードサイズをひとまわり大きくします > サイズの目安



仕上がりA4サイズの場合、上部のコントロールバー内にあるプリセットを「B4」を選択します。


OK アートボードサイズを大きくしてトリムマーク内に収まるようにします。
トリムマークの外にあるオブジェクトは、削除するか、マスク処理してください。なお、プリンタの印刷領域を指定する二つの破線は無視してもかまいません。



OK アートボードサイズの外にトリムマークがある場合は、トリムマークやヌリタシがPDFに反映されません
アートボードサイズを大きくしてください。



OK 印刷領域がアートボードサイズからはみ出している場合は、アートボードサイズを大きくして、トリムマークがアートボードサイズ内に収まるようにします。
さらにトリムマークの外にあるオブジェクトは、削除するか、マスク処理してください。


仕上がりサイズのボックス(塗りも線もなし)を作成して、そのボックスからトリムマークを作成します。それから、トリムマークがアートボード内に収まるようにします。PDF化したとき、アートボード内にレイアウトされていないデータは印刷できません。また、トリムマークの外にレイアウトされたオブジェクトや、トリムマークからはみ出したオブジェクトや画像は削除するかマスク処理して、トリムマーク内に収まるようにしてください。なお、破線で囲まれたサイズは、指定しているプリンタの用紙サイズです。PDF保存時には無視してもかまいません。
なお、Illustrator CC2014では、「210 mm」と入力しても「209.9999 mm」のように入力した数値通りにならないことがありますが、そのままでかまいません。
   
step3 画像は350 ppi程度の解像度で作成する
画像解像度は350 ppiを目安に貼り込みます。画像を作成するときにPhotoshopのイメージメニューにある[画像解像度]の[解像度]の設定が「350 ppi」になっているかどうかを確認します。写真画像の場合、「250 ppi」以下だとオフセット印刷で十分な品質で印刷できません。

step3-1 「イメージ」>「画面解像度」を選択



Photoshopのイメージメニューの[画像解像度]で画像の解像度を確認します。印刷用の画像データでは、1インチに「350pixel/inch」の解像度を標準にします。写真などを印刷用に使うには、250 ppi程度は最低でも必要です。
   
step4 画像のカラーモードはCMYKにする
画像のカラーモードはCMYKにします。RGBカラーやダブルトーンのままIllustrator CC2014に貼り込みPDF保存すると、画像が予想外のCMYKカラーに変換されることがあります。RGBのままPDF化された場合、弊社の方でCMYKに変換させていただきますが、色の相違以外に明らかな不具合が発見された場合、再度ご入稿いただく必要がございます。

   
step5 貼り込み画像はPhotoshop EPSもしくはPhotoshop PSD形式で保存する
Illustrator CC2014に貼り込む画像は、Photoshop EPSもしくはPhotoshop PSD形式で保存します。ファイルメニューの[別名で保存]を選択します。[別名で保存]ウィンドウの[フォーマット]で「Photoshop PSD」を選択します。[プルーフ設定を使用]も[カラープロファイルの埋め込み]もチェックしません。

PhotoshopPSDの場合
step5-1
「ファイル」>「別名保存」を選択



Photoshop PSD形式で保存すると、Illustrator上で角度が設定された画像やクリッピングパスを含む画像がPDF保存時に背景が白抜きになることがあります。Photoshop PSD形式で貼り込む場合は、PDF作成後、Adobe Readerで開いて、画像の背面をご確認ください。

PhotoshopEPSの場合
step5-2
「ファイル」>「別名保存」を選択



[EPSオプション]では[ハーフトーンスクリーンを含める]以下のオプションはすべてチェックしません。

また、[EPSオプション]ウィンドウでは、[プレビュー]で「Macintosh(8 bit/pixel)を選択し、[エンコーディング]は「バイナリ」で保存します。「JPEG」で保存した場合は画質が劣化することがあります。

   
step6 [透明の分割・統合設定]は「ベクトル100」にする
編集メニューを開いて[透明の分割・統合設定]を指定します。「中解像度」を選択して[新規]のボタンをクリックします。設定名に「ベクトル100」と入力して[ラスタライズ/ベクトル設定]を「100」にします。

step6-1
「編集」>「透明の分割・統合プリセット」を選択





[ラインアートとテキストの解像度]と[グラデーションとメッシュの解像度]はそのまま変更しません 。[ラスタライズ/ベクトル設定]で「100」を指定することで、Illustratorデータ内の透明効果は、最高の品質で分割・統合してPDFに変換することができます。[グラデーションメッシュ]の指定は、透明効果が適用されたグラデーションメッシュだけでなく、グラデーションやドロップシャドウを画像化する際にも適用されます。

   
step7 [ラスター効果設定]の解像度を指定する
Illustratorの効果メニューで指定するドロップシャドウやぼかしは、印刷時には画像に変換されます。変換されるときの画像の品質を決めるのが、効果メニューにある[書類のラスター効果設定]です。Illustrator CC2014では、ドキュメント作成時に指定できますが、PDF書き出しする前に、効果メニューの[ドキュメントのラスタライズ効果設定]を開いて、[解像度]が「300 ppi」になっていることを確認します。

step6-1
「効果」>「ドキュメントのラスタライズ効果設定」を選択







[ラスター効果設定]ウィンドウの注意書きとして、解像度を変更すると「アピアランス(見た目)に影響する」とありますが、見た目が変わるのは「ぼかし(ガウス)」や[アンシャープマスク]などのピクセル単位で指定するものです。それ以外の[スタイライズ]内のぼかし、ドロップシャドウや光彩などの効果を絶対値で指定するものには影響しません。
   
step8 DICやPANTONEなどのスポットカラーは使わない
ウィンドウメニューにある[スウォッチライブラリ]にあるDICやPANTONEなどのスポットカラーは使わないでください。特色での印刷はできません。スポットカラーで指定されたオブジェクトは、弊社の方でCMYKに変換させていただきますが、色の相違以外に明らかな不具合が発見された場合、再度ご入稿いただく必要がございます。

step6-1
「ウィンドウ」 → 「スウォッチライブラリ」 → 「カラーブック」 → 「DICカラーガイド」を選択


OK  
   
step9 すべてのテキストはアウトライン化する
Illustrator CC2014では、フォントを埋め込んでPDFを作成できます。しかし、すべてのフォントはアウトライン化して入稿してください。アウトライン化は、すべてのテキストを選択して、文字メニューから[アウトラインを作成]を選択します。アウトライン化できないフォントや、ビットマップフォント(Apple社の細明朝体や中ゴシック体)は使わないでください。
また、フォントを埋め込んで入稿いただいてもかまいません。その場合は、そのまま出力・印刷いたします。フォントを埋め込まないまま入稿した場合は、再入稿していただきます。
step6-1
「書式」>「アウトラインを作成」


すべてのテキストを選択するためには、編集メニューで[すべてを選択]を指定します。選択する前に、隠されたレイヤーを表示し、ロックされたレイヤー、ロックされたオブジェクトを解除、隠されたオブジェクトも解除します。
   

 
  印刷用PDFの保存方法  
 
step1 PDFとして保存
ファイル>別名保存

IllustratorデータをPDFとして保存します。ファイルメニューの[別名で保存]を選択します。[ファイル形式]で「Adobe PDF(pdf)」選択します。




Illustrator CC2014では「Adobe PDF」形式で保存すると、ファイル名に拡張子が追加されます。拡張子は削除しないで保存します。
   
step2 「Press」でAcrobat 5.0互換で保存する
一般ウィンドウではPDFの互換性とオプションを設定します。[互換性]で「Acrobat 5.0(PDF 1.4)」を選択します。[オプション]で「Illustratorの編集機能を保持」と「サムネールの埋め込み」をオンにします。



Illustrator のように単ページでPDFを作成するときは「Web表示用に最適化」の設定は不要ですが、ここはオンにしておきます。「Illustratorの編集機能を保持」をオフにすると、Illustratorネイティブデータが含まれなくなりますので、PDFのファイルサイズが小さくなります。
   
step3 ダウンサンプルの解像度を「350 ppi」にする
圧縮ウィンドウのカラー画像とグレースケール画像で「ダウンサンプル(バイキュービック)」を選択します。解像度を「350 ppi」にします。[圧縮]で「自動(JPEG)」を選択し[画質]で「最高」を選択します。白黒画像では解像度を「1200 ppi」にし[圧縮]で「CCITT Group 4」を選択します。



[テキストとラインアートの圧縮]をオンにしておくと、画像以外のテキストやオブジェクトが圧縮されます。ここはオンにして保存します。
   
step4 Illustrator CC2014ではトンボは指定する
トンボ・裁ち落としウィンドウでは、書き出すPDFに自動的にトンボを追加できますが、トンボより外にあるオブジェクトも認識します。書類設定のアートボードサイズを拡張していますので、ここではトンボも裁ち落としも設定しません。



※「トンボ」も「裁ち落とし」もオフにすることで、PDFのサイズはアートボードサイズになります。
   
step5 ICCプロファイルは埋め込まない
出力ウィンドウでは[プレス品質]のデフォルトのままにします。[カラー変換]で「出力先の設定に変換(カラー値を保持)」を指定し、[出力先]で「作業用CMYK」を指定します。[プロファイルの埋め込み]では「プロファイルを含めない」を選択します。



カラー設定の作業用CMYKとドキュメントのCMYKが異なる場合は、[出力先]で「ドキュメントCMYK」を選択してください。また、カラー設定で「Illustrator 5.5Jをエミュレート」を選択している場合は、[カラー変換]で「出力先の設定に変換」を指定し、[出力先]で「CMYK」を指定します。この場合は、ターゲットのCMYK(Japan Color 2001 Coated)に変換されませんので、CMYK画像のカラーをモニタやプリンタでご確認ください。
   
step6 すべてのフォントを埋め込む
詳細設定ウィンドウではフォントの埋め込みと透明の統合オプションを指定します。[サブセットフォントにする]は「100%」にします。なお、Illustrator CC2014では、日本語フォントはすべて埋め込まれますので、埋め込み可能なフォントのみを利用します。PDFに埋め込み許可されていないフォントやビットマップフォント(Apple社の細明朝体や中ゴシック体)は使わないでください。



[オーバープリントおよび透明の分割・統合オプション]は、一般ウィンドウの[互換性]で「Acrobat 5.0(PDF 1.4)」を選択していると、設定がグレーアウトして選択できません。もし設定が選択できるようになっていれば、一般ウィンドウで互換性を確認してください。
 
step7 セキュリティは設定しない
印刷用のPDFではセキュリティを設定すると、印刷用に出力することができません。セキュリティウィンドウでは[書類を開くときにパスワードが必要]も[セキュリティと権限の設定変更にパスワードを要求]もオフにしてPDFを保存します

   
step8 設定内容で互換性とラスター効果を確認する
設定内容ウィンドウでは、PDFのバージョンと書類のラスタライズ効果設定を確認できます。PDFのバージョンが「Acrobat 4.0(PDF 1.3)」のときと、書類のラスタライズ効果設定が「72 ppi」になっていると、警告が表示されます。警告が表示されたときは、PDFのバージョンを「Acrobat 5.0(PDF 1.4)」に、書類のラスタライズ効果設定を「200 ppi」に変更します。

NG


OK

設定内容ウィンドウで警告がでないかどうか確認してPDFを書き出してください。また、作成した設定は画面右上アイコンボタンより[Adobe PDF設定に名前を付けて保存]しておくと、次回利用するときに[設定]を選択するだけです。なお、「ソースプロファイルを指定しています」の警告は無視してもかまいません。

   
step9 Adobe ReaderでPDFを開いて確認する
PDFを保存した後、Adobe Readerで開いてデータを確認してください。確認するチェックポイントは次の通りです。

作成後のチェックポイント1:トリムマーク内にすべてのアートワークが収まっている
作成後のチェックポイント2:フォントがアウトライン化もしくは埋め込まれている
作成後のチェックポイント3:貼り込み画像が正しく配置されている

フォントの埋め込みは、Adobe Readerのファイルメニューにある[プロパティ]のフォントタブを開くと、すべてのフォントが埋め込まれていることが確認できます。

ファイル>プロパティ

文章のプロパティ

アウトライン化されている場合は、Adobe Readerの[文書のプロパティ]ではすべてのフォントがリストされません。

上記のチェックポイントを確認したら、作成したPDFをご入稿ください。