Illustrator9.0データのご入稿方法WebPDF入稿の手順
 
  新規ドキュメント作成時の設定方法  
Illustrator 9.0では、ファイルメニューの[別名で保存(Windowsの場合は[名前を付けて保存])]でPDFとして書き出すことができます。9.0ではフォントは埋め込むことができますが、すべてのフォントをアウトライン化してPDF保存します。なお、貼り込み画像はPhotoshop PSDの画像を貼り込んでください。

既存のIllustrator 9.0のドキュメントを、PDF保存用として適切かどうかを調べるには、 こちら を御覧下さい。
step1 新規書類を作成するときにCMYKで作成する
●弊社テンプレートをご利用いただくと便利です。是非ご利用下さい。 →テンプレート

Illustrator 9.0からは、新規書類を作成するときは、[書類のカラーモード]で「CMYKカラー」で作成します。すべてのカラーは、印刷用のCMYKカラーになります。
ファイル>新規を選択


新規書類設定
 
step2 アートボードサイズを大きくする
Illustrator 9.0では、新規にドキュメントを作成するとドキュメントのサイズが「A4」サイズになります。サイズを変更するときは、ファイルメニューの[書類設定]を開いて[アートボード]の[サイズ]を変更します。
IllustratorからPDF保存すると、[書類設定]の[アートボード]の[サイズ]で指定した大きさでPDFが作成されます。しかし、「A4」で印刷する場合、アートボードの大きさを「A4」にしてPDF保存すると、ヌリタシとトリムマークをPDFに反映させることができません。
そこで、アートボードサイズをひとまわり大きくしてPDFを作成します。「A4」サイズが仕上がりの場合は、[書類設定]のアートボードサイズを「B4」に変更します。また、作成したトリムマークがアートボードサイズ内に収まるようにします。トリムマークの外にあるオブジェクトや画像は削除するか、マスク処理してすべてのオブジェクトや画像をトリムマーク内にレイアウトします。
また、名刺やハガキなどの「B6」以下のサイズは、「B5」サイズにアートボードサイズを変更して作成してください。正しく作成されていない場合は、再入稿していただくことがあります。



 仕上がりサイズ  変更後のアートボートサイズ
 B6(128×182 mm)以下
 B5(182×257 mm)
 A5(148×210 mm)
 B5(182×257 mm)
 B5(182×257 mm)
 A4(210×297 mm)
 A4(210×297 mm)
 B4(257×364 mm)
 B4(257×364 mm)
 A3(297×420 mm)
 A3(297×420 mm)
 B3(364×515 mm)
 B3(364×515 mm)
 A2(420×594 mm)
 A2(420×594 mm)
 B2(515×728 mm)
 B2(515×728 mm)
 A1(594×841 mm)
 A1(594×841 mm)
 B1(728×1030 mm)

step2-1 「ファイル」>「書類設定」を選択
ファイル>書類設定

step2-2 アートボードの「サイズ」を変更
仕上りサイズよりもアートボードサイズをひとまわり大きくします > サイズの目安
書類設定



書類設定



OK アートボードサイズを大きくしてトリムマーク内に収まるようにします。
トリムマークの外にあるオブジェクトは、削除するか、マスク処理してください。なお、プリンタの印刷領域を指定する二つの破線は無視してもかまいません。




OK アートボードサイズの外にトリムマークがある場合は、トリムマークやヌリタシがPDFに反映されません。
アートボードサイズを大きくしてください。




OK 印刷領域がアートボードサイズからはみ出している場合は、アートボードサイズを大きくして、トリムマークがアートボードサイズ内に収まるようにします。
さらにトリムマークの外にあるオブジェクトは、削除するか、マスク処理してください。


仕上がりサイズのボックス(塗りも線もなし)を作成して、そのボックスからトリムマークを作成します。それから、トリムマークがアートボード内に収まるようにします。PDF化したとき、アートボード内にレイアウトされていないデータは印刷できません。また、トリムマークの外にレイアウトされたオブジェクトや、トリムマークからはみ出したオブジェクトや画像は削除するかマスク処理して、トリムマーク内に収まるようにしてください。なお、破線で囲まれたサイズは、指定しているプリンタの用紙サイズです。PDF保存時には無視してもかまいません。
 
step3 画像は350 ppi程度の解像度で作成する
画像解像度は350 ppiを目安に貼り込みます。画像を作成するときにPhotoshopのイメージメニューにある[画像解像度]の[解像度]の設定が「350 ppi」になっているかどうかを確認します。写真画像の場合、「250 ppi」以下だとオフセット印刷で十分な品質で印刷できません。

step3-1 「イメージ」>「画面解像度」を選択
イメージ>画像解像度

step3-2
画面解像度」の設定
Photoshopのイメージメニューの[画像解像度]で画像の解像度を確認します。印刷用の画像データでは、1インチに「350 pixel/inch」の解像度を標準にします。写真などを印刷用に使うには、250 ppi程度は最低でも必要です。

画像解像度
 
step4 画像のカラーモードはCMYKにする
画像のカラーモードはCMYKにします。RGBカラーやダブルトーンのままIllustrator 9.0に貼り込みPDF保存すると、画像が予想外のCMYKカラーに変換されることがあります。RGBのままPDF化された場合、弊社の方でCMYKに変換して出力・印刷します。

イメージ>モード>CMYKカラー
 
step5 貼り込み画像はPhotoshop EPSもしくはPhotoshop PSD形式で保存する
Illustrato9.0に貼り込む画像は、Photoshop EPSもしくはPhotoshop PSD形式で保存します。ファイルメニューの[別名で保存]を選択します。[別名で保存]ウィンドウの[フォーマット]で「Photoshop PSD」を選択します。[プルーフ設定を使用]も[カラープロファイルの埋め込み]もチェックしません。

PhotoshopEPSの場合
step5-1
「ファイル」>「別名保存」を選択
ファイル>別名で保存

EPS形式で保存の場合
別名で保存
attention リンク画像のファイル名は半角英数字で作成いただくことにより不具合を起こしにくいものになります。




EPSオプション
[EPSオプション]ウィンドウでは、下記のように設定
[プレビュー]
Macintoshの場合はMacintosh(8 bit/pixel)]
Windowsの場合はTIFF(8bit/pixel)
[エンコーディング]
「バイナリ」
「JPEG」で保存した場合は画像が劣化することがあります。



EPSオプション
[ハーフトーンスクリーンを含める]以下のオプションはすべてチェックしません
Photoshop EPS形式で保存すると、Illustrator上で角度が設定された画像やクリッピングパスを含む画像がPDF保存時に背景が白抜きになることがあります。Photoshop EPS形式で貼り込む場合は、PDF作成後、Acrobat Readerで開いて、画像の背面をご確認ください。

PhotoshopPSDの場合
「ファイル」>「別名保存」を選択
別名で保存
attention Photoshop PSD形式で保存するときは、画像のレイヤーは統合して背景だけの画像として貼り込んで下さい。
attention リンク画像のファイル名は半角英数字で作成いただくことにより不具合を起こしにくいものになります。
 
step6 透明のプリント・データ書き出しは「高画質/低速」
ファイルメニューの[書類設定]で[透明]ウィンドウを開きます。[プリント・データ書き出し]の[画質/速度]を「高画質/低速」にします。また、[プリント・データ書き出し]ウィンドウでは[ラスタライズ解像度]を「400 ppi」に、[グラデーションメッシュ]を「200 ppi」に変更します。

step6-1
「ファイル」>「書類設定」を選択
ファイル>書類設定

step6-2
書類設定
※[プリント・データ書き出し]で「高画質/低速」を選択することで、Illustratorデータ内の透明効果は、最高の品質で分割・統合してPDFに変換することができます。
書類設定

step6-3
書類設定
※[グラデーションメッシュ]の指定は、透明効果が適用されたグラデーションメッシュだけでなく、グラデーションやドロップシャドウを画像化する際にも適用されます。
書類設定
 
step7 [ラスター効果設定]の解像度を指定する
Illustratorの効果メニューで指定するドロップシャドウやぼかしは、印刷時には画像に変換されます。変換されるときの画像の品質を決めるのが、効果メニューの[ラスタライズ]にある[ラスター効果設定]です、ここの解像度を「200 ppi」で指定します。当社では、ラスタライズ効果の解像度はチェックしません。高品質な印刷物を作成する場合は、[ラスター効果設定]を設定してください。

効果>ラスタライズ>ラスター効果設定
[ラスター効果設定]ウィンドウの注意書きとして、解像度を変更すると「アピアランス(見た目)に影響する」とありますが、見た目が変わるのは「ぼかし(ガウス)」や[アンシャープマスク]などのピクセル単位で指定するものです。それ以外の[スタイライズ]内のぼかし、ドロップシャドウや光彩などの効果を絶対値で指定するものには影響しません。
 
step8 DICやPANTONEなどのスポットカラーは使わない
ウィンドウメニューにある[スウォッチライブラリ]にあるDICやPANTONEなどのスポットカラーは使わないでください。特色での印刷はできません。スポットカラーで指定されたオブジェクトは、弊社でCMYKに変換させていただきますが、明らかな不具合が発見された場合、再度ご入稿いただく必要がございます。
ウインド>スウォッチライブラリ>DICcolor
OK  
 
step9
すべてのテキストはアウトライン化する
Illustrator 9.0では、フォントを埋め込んでPDFを作成できます。しかし、すべてのフォントはアウトライン化して入稿してください。アウトライン化は、すべてのテキストを選択して、文字メニューから[アウトライン作成]を選択します。アウトライン化できないフォントや、ビットマップフォント(Apple社の細明朝体や中ゴシック体)は使わないでください。
また、フォントを埋め込んで入稿いただいてもかまいません。その場合は、そのまま出力・印刷いたします。フォントを埋め込まないまま入稿された場合は、再入稿していただきます。


文字>アウトライン作成

すべてのテキストを選択するためには、編集メニューで[すべてを選択]を指定します。選択する前に、隠されたレイヤーを表示し、ロックされたレイヤー、ロックされたオブジェクトを解除、隠されたオブジェクトも解除します。
 
step10 アウトライン化したフチククリ文字は[分割・拡張]する
アウトライン化したテキストに線設定を適用し、フチククリ文字を作成する場合は注意してください。フォントによってはPDF保存時に字形のコーナーが欠けることがあります。コーナーの欠けた文字はチェックできませんので、PDF保存時にご確認願います。
分割・拡張
線設定で作成したフチククリ文字は、PDF保存すると、テキストのコーナーが欠けてしまうことがあります。フチククリ文字はアウトライン化した後、フチククリ文字のみを選択してオブジェクトメニューから[分割・拡張]します。そうすると、コーナーが欠けることはありません。

 
  印刷用PDFの保存方法  
step1 PDFとして保存
IllustratorデータをPDFとして保存します。ファイルメニューの[別名で保存(Windowsの場合は[名前を付けて保存])]を選択します。[ファイル形式]で「Adobe PDF」選択します。
※Illustrator 9.0で「Adobe PDF」形式で保存すると、ファイル名に拡張子が追加できます。かならず[ファイル拡張子を追加]をチェックして保存します。拡張子が付いていない場合は、再入稿いただく場合があります。

ファイル>別名で保存
 
step2 一般ウィンドウを設定する
[Acrobat PDF形式オプション]にある[一般]ウィンドウでは、[ファイルの互換性]で「Acrobat 5.0」を選択します。PDF内に含まれた透明効果は弊社で適切に分割・統合いたします。
[Illustrator編集機能を保持する]は「オフ」にします。フォントを埋め込むときは[すべてのフォントを埋め込む]にチェックします。[ICCプロファイルを埋め込む]も「オフ」にします。

PDF形式オプション
 
step3 圧縮ウィンドウを設定する
[圧縮]ウィンドウでは、[カラー画像]と[グレースケール画像]で[ダウンサンプル]はチェックしません。[圧縮]では「ZIP」を選択し、[画質]は「8ビット」を選択します。[白黒画像]でも[ダウンサンプル]はオフにします。[圧縮]では「CCITTグループ4」を選択します。[テキストとラインアートを圧縮]はチェックします。
PDF形式オプション
[テキストとラインアートを圧縮]もチェックします。作成されるPDFのファィルサイズが小さくなります。
 
step4 Acrobat ReaderでPDFを開いて確認します
PDFを保存した後、Acrobat Readerで開いてデータを確認してください。確認するチェックポイントは次の通りです。

・作成後のチェックポイント1 トリムマーク内にアートワークが収まっている
・作成後のチェックポイント2 すべてのフォントをアウトライン化している
・作成後のチェックポイント3 フチククリ文字のコーナーが欠けていない
・作成後のチェックポイント4 貼り込み画像が正しく配置されている

すべてのフォントがアウトライン化されていることを確認するには、Acrobat Readerのファイルメニューから[文書のプロパティ─フォント]を開きます。フォント情報のウィンドウでフォントが表示されなかったら、PDF内のすべてのフォントがアウトライン化されています。
ファイル>文書のプロパティ>フォント
フォント情報
上記のチェックポイントを確認したら、作成したPDFをご入稿ください。